【萬古焼急須】千秋の 宝尽くしの型萬古急須
我が家の看板娘ならぬ看板急須【萬古焼中興の祖 森 有節】の弟である「千秋の
宝尽くしの型萬古急須」です。
ブログを見て、
「我が家の押し入れにこんな物があるのですが、たぶんおじいちゃんが買った物で萬古焼って書いてあるようだけど本当にそうなのか?どのくらい価値があるものなのか?教えてもらえませんか」
という お問い合わせを頂戴して。
自分の勉強の為にもなるしと、水谷英三さん (「萬古」陶芸の歴史と技法の著者)や骨董品を扱うお店などに足を運び調べさせてもらいました。
調べた結果をお伝えして、
「もし できたら うちの看板に譲ってもらえませんか?」
と御依頼の方にお願いして譲り受けた物です。
有節の型萬古急須(江戸時代後期天保3年1832年有節誕生)とは、提灯作りに使われている木枠からヒントを得たという、数個に分解できる木型(内型)を使って成型するという、画期的な技法で。
一、持ち手を斜めに高く上げて使い易くしてある。
二、お茶を注ぐ時に蓋が落ちないように、ある一ヶ所でそっと一方をもちあげると蓋がとれるが、つまみを持って真っ直ぐにあげると蓋が取れない仕掛け。
三、持ち手の先に遊環をつける装飾(これには ついていません たぶん ついていたのに 取れてしまったので、上手に直してあると言われました。)
四、鉄瓶の蓋のつまみのようにぐるぐると廻る「まいつまみ」の工夫
五、軽くて紙のように薄くつくられた生地とその内側に木型の表面に刻まれた龍が陰刻されていて手にとり見た人がびっくりするという物
お伊勢参りをした人が、お土産に買い求めたんでしょうか。
上品なピンク色の釉薬が特徴的で、そんなに昔の物と言わなければわからないくらいです。持ち手の遊環が無いため、完品ではないので
「美術館や博物館では買わないよ。」
と調べた時に言われましたが、きっと壊れた時にこれをいとおしく思って、上手に直してもらったんだろうなと思うと、大事にしていきたいなと考えています。
美術館などでは 観るだけで触れませんので、その軽さや土に残る手の跡などを感じる事ができませんが、来ていただいたお客様には出来るだけ体験してもらっています。
うちの看板急須に会いにきてくださいね、お待ちしています。
(なので これは非売品です)m(__)m