2020-04-20
【萬古焼急須】老楽 梅に銀盛の鶯急須
老楽さんは、「本名 佐藤 義男」さん、明治34年生です。
元号 令和の出典が、万葉集の梅花の歌三十二首の序文
「初春の令月にして 気淑く 風和らぎ、梅は鏡前の粉をひらき 蘭は珮後の香を香らす」
は有名になりましたね。
梅の清々しさが 日本人の文化にあっていたのでしょうね。
実家にも 梅の古木があり、梅の花、梅の実は身近な物でしたし、今も鶯が春になるといい声で鳴いています。
吾妹子(わがもこ)が植し
「万葉のうた」大原富枝 文 より抜粋
梅の木見るごとに
こころ咽(む)せつつ
涙し流る(四五三)
作者の大伴 旅人が九州の大宰府から京に戻り
九州に行く時には一緒に行った妻が亡くなり
京の自分の家に帰って
二人で作った庭園の 妻が植えた梅の木が立派に成長しているのを見るにつけて、家の中に妻のいない寂しさはいっそう身に迫って思わずむせび泣きするのであった。
という歌を残して、翌年六十六歳で妻のあとを追うように亡くなったそうです。
すごく素直で誠実さが伝わる歌ですよね。
老楽さんの急須は、見ていて語りかけてくる感じがして大好きな物の一つです。蓋の穴も三つで個性的。
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